2006年04月21日

ふるさと銀河線の思い出

昨日でふるさと銀河線が廃線になりました。

私も一度だけ乗ったことがあります。
バイク乗りの私がなんでそんなマイナーな路線をと思うかもしれませんが、沿線には馴染みの宿があるからなのです。

沿線と書くと響き?が良いですが、陸別から北見までははっきり言って何もないです。
先日のブログで書いた三国峠のルートも途中には何も無いですが、見事な景色やアップダウンのコーナーがあります。
しかし、このルートは周りがずっと森ばかりで、道はフラットそのもの。 簡単に言えばつまらないです。
一度、夜間走行をしたことがありますが、あまりの寂しさで気が変になりそうでした。

北海道の旅は基本的にバイクでの移動になりますが、それは夏期に限ったこと。
何年か前に冬の北海道を旅してみたいという衝動に駆り立てられて、何度か汽車で道内を移動したのですが、そのうちのひとつに銀河線の旅がありました。
もちろん銀河線に乗りたかったワケではなく、その宿へ行くための唯一の手段だったのですから。


始発の池田駅は、夕空が真っ赤だったのを覚えています。
JRの駅の隅っこに、ちほく線用のとても小さな券売機があって、やたら高い乗車券を買いました。
銀河線のホームは外れだったような記憶があります。
駅の外れにある銀河線のホームに向かい、汽車に乗りました。
車両の外見は寂れた雰囲気なのですが、乗客はかなり多くて拍子抜けしましたね。
ホントに赤字なのと思うくらいに賑わっていました。

池田を出発し、十勝平野の広い空が暗闇に変わっていくのを車窓から見届けました。
陸別の駅に着いたら、大多数…というか私以外の客がすべて下車しました。
雪に埋もれた森の中を、私のためだけに汽車が走っています。
目的の小利別(しょうとしべつ)駅で降り、お客が乗っていない一両きりの汽車を見送りました。

駅から宿までは歩いて2〜3分。
廃校になった校舎をそのまま使った宿の建物が見えてきます。
下駄箱にトレッキングシューズを置き、久しぶりに会った宿主さんからシーツを貰って、教室を流用したドミトリーに向かいます。

部屋の灯りのスイッチを入れると、冷え切った空気の中に見慣れた手作りのベッドが並んでいます。
心地よい間隔を保ったベッドの上に、既に到着していた何人かの荷物が置かれていました。
私も空いているベッドに荷物を置き、軽装に着替えて食堂兼居間に向かいます。
教室を改造した居間に敷かれた畳の上で、旅人達が新聞や時刻表を眺めていました。
その旅人達に軽く挨拶をして、宿帳に自分の名前を書きながら、夏に書いた自分の筆跡を探します。
ふと黒板に目をやると、いつものように私の名前が書いてありました。 黒板が予約表になっているのです。
夏であれば「●月▲日 ○×さん バイク」と書いてあるのに、今日は「バイク」の部分が「きしゃ」になっていました。 妙に新鮮な気分になります。

・・・といった感じで、落ち着いた宿の夜が更けていくわけですね。
ただし、その日の夜は特別でした。
その日は偶然にも日本各地をギター1本でライブを続ける方と一緒になったのです。
その方は、日本一周をした親友との話に何度も何度も出てきていたので、初めて会った気がしませんでした。
今夜はその方の突発?ミニ・ライブ。
日本の北の果てで、畳にあぐらをかいて日本酒を飲みながらのライブなんて素敵だと思いませんか?
ライブの後、宿主さんから渡された湯たんぽと共に寝床につきましたが、深酒とライブの興奮で湯たんぽも不要なほどに暑苦しかった覚えがあります。

翌朝、北見に向かう汽車の時刻まで余裕がありました。
食堂の畳の上で何をすることもなくゴロンとしていました。
ストーブの上のやかんが奏でる蒸気の音を聞いていたら、いつの間にかウトウトと・・・。

宿主さんや連泊のお客さんと一緒に駅まで走りました。
汽車に飛び乗り、息を切らせながら皆と別れの握手をしました。
雪に埋もれかけた小さな無人の駅舎の外でずっと手を振っている皆の姿は、今でも脳裏に焼き付いています。

私の銀河線に関わる思い出はそんな感じです。 懐かしい思い出です。
というわけで、長い間お疲れ様でした。


夏の宿も魅力的なのですよ。
雑草が茂った校庭の真ん中にひとり立ち、真っ赤な夕焼けとやかましい蝉の声を肴にビールを飲んだ記憶があります。
ずっと赤い空を見上げていたら、なぜか涙が流れてきました。
きっと、都会の生活に疲れ切っていたのでしょうね。
posted by らんちょん at 13:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | その他
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